スーパーのいなげやで、店員の過労死が認定されたとの事件が報じられました。
調べによると、事件の起きる前の4カ月間の平均時間外労働時間は75時間53分であったそうで、ここで既に働き方改革で上限設定した時間を超過していますが、さらに深刻なのはこの店舗では従業員はタイムカードに打刻された時間よりも早く出勤し、シフト上の時間が来るまでは記録を付けずに働いていたことが実態として浮かび上がってきたそうです。
価格競争のしわ寄せが従業員への労働環境の締め付けになることは決してあってはならないことです。サービス業はただでさえ価格競争の激化が起こっており、薄利多売の状態です。人件費の高騰やコスト高が迫るなか、料金値上げには踏み切れず、従業員に無理をさせ組織ぐるみで隠ぺい行為を図る、といった負の連鎖はいまこそ断ち切らなければならないときです。一社では踏み切れないようなことでも、業界または国全体で問題視することで動き始めることが期待されます。
待ったなしの働き方改革。業務プロセスを見直したり、取引先との契約内容を見直すなどの構造改革と意識改革が急務となっています。